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【第29回】ドリルを売るな、穴を売れ【1分で読める小さな会社の販促極意】

もっと掘れ!そこはまだ浅い。

こんにちは。
「問題解決型」会計事務所
ソルト総合会計事務所の伊藤博紀です。

1人の男が
とあるホームセンターを訪れました。

ひと通り店内を見渡した後、
通りがかった店員を呼び止め、
「ドリルを探しているんだが、どんなのがあるかな?」
と聞きました。

店員はとても丁寧に
軽さだとか、回転数だとか、駆動時間だとか
男に商品の機能面について説明をしました。

男は喜んで
各種機能の充実した
高性能のドリルを買って帰りました。
めでたし、めでたし。

さて、
一見ハッピーエンドのような
お話に聞こえますが余談があります。

実は
男がドリルを欲しがったのは
先日撮影した家族写真を壁からぶら下げる
穴を壁にあけるためだったのです。

この程度の穴であれば
なにも高性能で高価なドリルを購入しなくても
キリで簡単に穴があけられたでしょう。

より高い商品が売れたので
それはそれでいいじゃないか。
そんな風に言われる方も
中にはいらっしゃるかもしれません。

確かにそうなのですが、
ここで警鐘を鳴らしているのは

ビジネスではお客様のニーズを正確に把握して
購入価値・体験価値が最大になるよう努めるのが
LTV(生涯顧客価値)マネジメントであるという話。

目の前の
簡単な「利益」のためだけでなく
その顧客が生涯にわたって感じる
購入価値・体験価値を最大化するために
顧客すら気付いていない「潜在ニーズ」を
掘り下げ、探し出し、顕在化させることで
LTVの最大化をマネジメントしていく考え方

名門ハーバード・ビジネススクールの
教授だったセオドア・レビットという人が
「人が欲しいのはドリルではなく穴である」
と言いはじめて有名になった言葉です。

潜在ニーズと顕在ニーズ。
ベネフィットとメリットの違い。
生涯顧客価値(LTV)との関係が
見事に表現されたお話だと思います。

ここで少し
出てきた言葉の定義を整理しましょう。

「ベネフィット」とは
お客様が商品・サービスを
購入した際に得られる利益のことをいい、
商品・サービスを購入した後に生まれる
「満足感」「充実感」「快適感」のこと。

それに対して
「メリット」とは
商品やサービスそのもの自体の
特徴やウリの部分のことをいい、
言うならば「機能的価値」のことです。

今回のドリルの話では
お客様の潜在的なニーズを
もっと深くまで洞察できていれば
顧客にとっての購入価値・体験価値を
最大化できていたのかもしれません。

それでも
高い商品が売れた方がいいじゃないか!

ついそう思ってしまいますよね。
私もはじめて聞いたときはそう思いました。

しかし、私を含め
そのように感じてしまう人には
リピート率の視点が抜けているのかもしれません。

なぜなら
おそらく高性能なドリルは
他のホームセンターでも扱っているでしょうし
次からはネット購入で済ませてしまうかも。

しかし、
ドリルを買いに来たのに
潜在ニーズまで気づかせてくれ
安価なキリで代用できたお客様は
感動して再来店する可能性が高いでしょう。

これを続ければ
強固な関係性が構築されて
落とす金額も次第に大きくなり
何より自店の強力なファン客になる。

エヴァンジェリストとして
誰から頼まれなくても周囲の知人にまで
このホームセンターの布教までしてくれるでしょう。

これがLTV経営の本質です。

ほとんどどの業界も
コモディティ化(同質化)が進み
差別化を打ち出せなくなっています。

しかし、
そんな中でも
スターバックスや
東京ディズニーランドなどは

顧客の価値にフォーカスすることで
業界平均以上の料金でも顧客が喜んで
押し寄せるビジネスを作り上げています。

詳しく書くのは
またの機会にしようと思いますが

共通しているのは
顧客の潜在ニーズに耳を澄まし
寄り添った経営が出来ているからでしょうか。

さて、
あなたの会社では
お客様さえ気づいていない
「潜在ニーズ」に耳を澄ませているでしょうか。

具体的に
何をどう変えていいか分からない。
そんな方はぜひ一度ソルト総合会計事務所に
ご相談くださいませ。

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