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理想的な売上と利益のバランス

ソルト総合会計事務所の山本です。
確定申告業務も落ち着いてきましたが、まだまだ気が抜せません。
最繁忙期を迎える3月決算の準備もしっかりやっていきたいと思います。

理想的な売上と利益のバランス

よく新聞などで、売上高経常利益率〇%という経営指標が使われます。
これは、経常利益(売上から原価、人件費、諸経費、借入利息などを引いた利益)を売上高で割った割合のことでです。

この指標は売上と利益のバランスをみる一つの目安になりますが、何パーセントあれば良いのか正直わかりづらいです。

なぜなら、業種によって目標とする売上高経常利益率は大きく変わってくるからです。

理想の売上と利益

業種に関係なく、売上高経常利益率は粗利益率×20%が理想!!

TKCの経営指標BAST(優良黒字中小企業の平均値の欄)を眺めていると、様々な業種で粗利率×20%の経常利益率を維持していることがわかります。

(当事務所はTKC会員事務所ではありませんが、資料を頂いたので色々眺めていました。。。)

この比率だと、損益分岐点比率が80%(経営安全率20%)に位置してくるので、概ね理想的な決算書(余裕のある経営数値)となります。

一つの考え方として、粗利益率に経営安全率20%をかけた比率が、各業種の目標となる売上高経常利益率と考えることができます。

この率に照らして考えていくと、、、

★粗利率95%の美容業であれば…
理想的な売上高経常利益率は19%(95%×20%)です。

★売上が毎年3億円程度、原価率が70%の小売業であれば…

理想的な経常利益は1,800万円(3億円×30%×20%)なので、投下できる固定費は人件費、諸経費(広告費、店舗維持費、研究費)で、7,200万円に抑える必要があるという視点をもつことができます。
(粗利の分配率はそこからブレークダウンして細かく考えていきます。)

★原価率が35%、固定費5,200万円の飲食業であれば…

理想的な経常利益は1,300万円なので、売上高1億円を一定の売上目標とする視点を持つこともできます。

あくまでも理想ですが、事業を存続させるために、一定の目線(目標値)は必要です。

あとは、経営者の判断で、借入金の多寡、BSのバランス,攻める状況か守る状況かなど、状況によって目標値を変動させていけば良いです。

逆に経常利益率が高すぎる場合は、従業員さんへ還元したり、さらなる投資(採用教育、広告、新商品の研究)に回すのも手です。

一定の目線(目標)を決めたあとで、過去のデータをしっかりと分析し、仮設を立て具体的な作戦を立案・実行・モニタリングしていくと、結果(決算書)も理想的な形に少しづつ近づいていくと思います。また、予算を決める時には、少し余裕を持たせましょう。(固定費は100%使い切ることが多いため)

事業計画などを立てる際の一つの参考目安になれば幸いです。
(※今回の目安は株式会社の理想数値なので、個人事業の場合とは異なります。)

コラム監修者紹介

ソルト総合会計事務所 所長
公認会計士・税理士 山本 将之

EY新日本有限責任監査法人、株式会社YKプランニングを経て、2015年に山口県防府市にてソルト総合会計事務所(山本将之公認会計士・税理士事務所)を開業。「スピードと情熱」「積極的な提案」を大切にし、中小企業の経営支援・課題解決に組織的に取り組んでいる。

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