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【上場企業から学ぶ】SBI証券の秘密とは?【手数料0なのに過去最高益?!】

目次

1.はじめに
2.SBI証券の決算
 ①決算のポイント
 ②過去最高益のヒミツ
 ③SBIホールディングスとして戦略
3.中小企業が学ぶべきこと

はじめに

こんにちは!中小企業診断士の松田です。
ウクライナ情勢や米中対立の高まりの影響を受け数年来の物価高騰で経営者の皆様も頭を悩ませていることと思います。
私も日々多くの経営者の方にお会いしますが、仕入価格は高騰しているがなかなかその分を売値に乗せることができず利益が減ってしまっているという話をよく伺います。

さて、そんな世の中で衝撃のニュースがありました。

『ネット証券、手数料ゼロでも増益 SBIなど信用取引貢献』
(楽天証券などネット証券、手数料ゼロでも増益 信用取引貢献 – 日本経済新聞 (nikkei.com))

モノの値段があがる中で逆に手数料をゼロにして、しかも増益ってどういうこと?という話なのですが、SBIホールディングスの決算書を見るとその秘密が隠されていたので
今回はこのからくりを解説し皆様のビジネスのヒントになればと思います。

SBI証券の決算

決算のポイント

まず、みなさんがおっしゃる“ネット証券のSBI”の会社名は株式会社SBI証券(以下SBI証券)といい、SBIホールディングス傘下の企業になります。
このSBIホールディングスはSBI証券以外にも、住金SBIネット銀行、SBI生命保険、ひふみ投信(投資をされている方ならご存じかもしれません)のSBIレオスひふみなどのその他の金融事業も手掛けています。
さらには半導体事業など非金融事業も存在します。

ここで、本題のSBI証券の決算ですが、下記の通り営業収益(売上高)から親会社株主に帰属する四半期純利益(今回は“純利益”と読み替えていただいて差し支えないです。)まで、すべてが『過去最高』となっております。
下半期から国内株式売買手数料をゼロにしたにもかかわらずです。
証券会社とは、従来、株式の売買を仲介する代わりにその手数料を取るというビジネスモデルですので、その仲介料を“タダ”にしてしまったにも関わらず過去最高の利益を出してしまったということです。

過去最高益のヒミツ

では、なぜこのような偉業がなしえたのか謎を紐解いてみたいと思います。
上で書いたようにSBI証券は2023年9月30日より国内株式売買手数料を無料としました。
その結果、上半期と同様の仲介手数料を取っていれば受け取ったと思われる収益(売上)は「158億円」と試算しています。
158億円の売り上げを失ったと考えるとぞっとしますね…

しかし、収益の内訳を見てみると、実はこの国内株式売買の仲介手数料は収益の1割程度しかないのです。
柱となっているのは、株式を少ない元手で売買する「信用取引」や投資信託の「信託報酬」(管理手数料的なもの)、“外国”株式の売買手数料などです。

種明かしをすると、そもそも収益の比率としては大きくない部分を無料化し、それによってSBI証券の利用者が増え、国内外の好調な株価や2024年1月から始まった新NISAに支えられ「信用取引」や「外国株式」、「投資信託」の取引にも波及したのです。

③SBIホールディングスとして戦略

SBI証券は「国内株式売買無料(ゼロ革命)」という宣伝を新NISA運用が始まる3か月前という世間の関心が高まっている時期に大大的に行うことで、これから運用を始める運用初心者を取り込み、すでに株式運用をしている層の取り込みにも成功したと思われます。
(やはり、みんな無料と言われると心が惹かれますよね…)

もちろん、この新規には国内株式売買しかしない層もいる一方で手数料の生じる「信用取引」などに手を伸ばす人も一定数いたと思われます。
(アプリゲームでいうと、課金をしなくても遊べるけど、課金するといろいろ遊べる内容が拡充されるといったところですかね。)
さらに、人が集まることで更なるサービスを展開することができたりと、顧客が増えるということのメリットは大きいのです。

ここまではSBI証券としての戦略でしたが、冒頭で書いたように、“SBIホールディングス”にはSBI証券以外にも銀行や生命保険、運用会社など金融事業を行う企業が参加にあり、SBI証券を入口としてホールディングス内で相乗効果が狙えます。
ホールディングスとして集めた資源(顧客や実績など)が長期で見ると非金融事業にも派生する可能性を秘めています。
(規模に関わらず事業をするには資金繰りという話は避けて通れないですから。。。)

中小企業が学ぶべきこと

SBI証券は大手にしかできない資本力を背景とした戦略をやっているように見えますが、一歩引いて冷静に見てみると案外ありふれたことをやっています。
マーケティング用語ではSBI証券の「国内株式売買手数料」のような安売りの目玉商品をロスリーダーと呼びます。
スーパーのチラシでもある特売品ですね。
スーパーの特売品のようにSBI証券の戦略は、このロスリーダーで集客を行いほかのものも買ってもらうという戦略です。
少し親近感が湧いてきましたでしょうか。

ただ個人的にSBI証券がさすがと思ったのは、

①この発表を行うタイミング
この取り組みの発表を行うタイミングです。
日経平均株価はバブル崩壊の最高値を更新するかもしれないという機運ができている中で、新NISAが新年から始まり、今まで資産運用に縁遠かった層が関心を持ち始めているという世間の情勢があったというこの上ないタイミングでこの発表したため、インパクトがとても大きかったのではないでしょうか。

②集客した顧客から収益を生む基盤を作っていた。
集客をしたお客さんにどのような追加の取引をしてもらうかが念入りに準備(基盤が構築)されてことです。
どんなに集客をしてもそこから収益化できなければ、ただの赤字サービスですので、その先をちゃんと構築していたことです。

ここから参考できることは、ターゲットとしている層や世間の関心が高まっているタイミングでその関心ごとの渦中にあることをロスリーダーと前面に押し出し、そこで得た顧客にどう更なる商品・サービス提供するということです。
そのためには、世間の関心がどこにあるのかをリサーチし、皆様の事業と何がそのターゲット層との橋渡しになるか常に考えておくことです。
何より肝心なのはチャンスが来た時に大きく打って出るということです。

コラム作成者紹介

ソルト総合会計事務所 スタッフ
中小企業診断士/税務会計支援 松田 尚

豊富な専門知識と経験で経営者を支えます
学生時代は個性的な友人に恵まれ楽しく過ごす。中学では卓球部で部長を務め、人の気持ちを理解し行動することの難しさを学んだ。大学では恩師の師事により、自分で考え行動し、自分らしい人生を歩むことの大切さを感じた。証券会社時代では礼儀を叩き込まれ、所作一つまでよく考えて行動することの大切さを学び、政治や経済のニュースでも表面上のことだけではなく、その要点などを理解し考えることができるようになった。

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