【第7回】売上安定には販促イベント【1分で読める小さな会社の販促極意】
つい買っちゃうのには理由があるんです!
いやー
とうとう12月突入ですね。
こんにちは。
「問題解決型」会計事務所
ソルト総合会計事務所の伊藤博紀です。
振り返ってみると11月は
ショッピングセンターを訪れると
「ブラックフライデー」の販促物があふれ返り、
お客の購買意欲を誘うような仕掛けが展開されていました。
ほんの10年前までには
ブラックフライデーなんて商習慣
ほとんど聞いたこともなかったですよね。
調べてみると
アメリカでは11月の第4木曜日が「感謝祭」で
翌日の金曜日は「ブラックフライデー」と呼ばれていて
その日はどんな店でも売り上げが伸び、“黒字になる”というのが
その名の由来とも言われているんだとか。
日本でも
11月は年末商戦を控えて売上が伸び悩むため、
消費喚起を狙ってブラックフライデーの
セールが開催されるようになったようです。
まず、
2014年に外資系企業の日本トイザらスが
はじめてブラックフライデーのセールを開催し、
2016年には、
流通大手のイオンが国内企業としては初の
本格的なブラックフライデーを開始し、
アマゾンジャパンも2019年から同様に
ブラックフライデーのタイムセールをスタートさせました。
でも、
そもそもどうして
小売店はセールにこだわるのでしょうか?
それは
小売販売業においては
販売機会の最大化(接触回数)こそが
売上に直結するからです。
とくにセールは
お客にとっても「安い」「お得」という
「買う動機」が強くなるタイミングのため
意図的に何回セールを開催できるかが勝負です。
たとえば
インターネットショッピングでは
セールを含むイベント開催の回数や
それに伴うメールの発信回数が
店舗の売上を大きく引き上げます。
コンビニでは
毎週火曜日が新商品発売日と決まっているし
スーパーでは52週マーチャンダイジング(MD)なんて言って
お客様と定期的に接触できる、来店できるように
事前に計画されているほどです。
だから
リアル店舗でも
インターネットショッピングでも
セールやイベントをあんなに開催するんですね。
私にも印象に残っているエピソードがあります。
大学卒業後、
中堅コンビニチェーンストアの
本部社員として働き始めたのですが
当時は11月と2月が
売上が立ちにくい月とされていました。
その理由として
「11月」は何かと出費の多くなる
年末年始に備えて財布のひもが固くなりますし、
「2月」は
日数が少ないという絶対的なハンデ、
バレンタインデーはあるものの瞬間的、限定的で
もう1つ何かイベントが物足りないくらいでした。
そんな折、
私が直営店の店長時代に
リーディングカンパニーのセブンイレブンが
「恵方巻」を2月のイベントの柱にするべく
全国で一斉にプロモーションをかけ始めました。
「恵方巻」は
もともと関西発祥の風習で
節分に恵方を向いて無言で食べると良いとされる巻き寿司のこと。
山口県出身の私は
そんな風習を知るはずもなく
この販促イベントに疑問を持つ次第でした。
しかし、
全国展開のセブンイレブンが
はじめてから2~3年程度で
すっかり定着し始めた感がありました。
店頭では
恵方巻がどういう風習、イベントなのか
告知する売り場が展開されましたし、
レジ袋にはチラシが入れられました。
私が働いていた
中堅コンビニチェーンでも
後追いで「恵方巻」をスタートさせ
一気に日本全国に「恵方巻」が広まっていき
いまや節分と言えば「豆まき」を並び凌ぐほどの
イベントになったといっても過言ではないでしょう。
このように
定期的なイベント開催には
お客様との接触頻度を増やし、
年間を通して売上を安定させる効果があります。
要するに
来店する理由、買う理由を
作ってあげているんですね。
さらに
接触頻度が増すうちに
店舗ロイヤルティが醸成されていきます。
あなたのビジネスでも
接触頻度を最大化させるために
定期的なイベント開催を計画してはいかがですか?
コラム監修者紹介
ソルト総合会計事務所
経営財務支援 伊藤 博紀