“あるある”な相続トラブル
遺産相続のトラブル、これは本当によく耳にします。
ドラマなどでも、しばしば取り上げられることから、皆さんにとって興味深いテーマなのかもしれません。
テレビの中の話として「世の中には大変な人がいるな」と思っていたら、まさか自分に、、、。
人の死が突然訪れるように、遺産のトラブルは思いもせず直面するのが実際です。
今回は、実際に起こりうる遺産のトラブルを”フィクション”としてご紹介します。
あるなるな遺産トラブル ケース
とある会社を経営していた80歳の男性が逝去されました。
そこには、子供が3人、息子Aさんと娘Bさん、娘Cさんがいました。
事業を継いだのは長男である息子A、
1人暮らしの父の面倒を見ていたのは長女Bでした。
相続財産は、
①居住していた土地と建物
②現預金が数千万円
③経営をしていた会社の株式
③その他に貸アパートを2棟持っていました。
長男Aは、「俺が長男なのだから、全てもらうべきだ」と主張しました。
次女Cは
「お兄ちゃんは事業をもらっている。お姉ちゃんは長女で、いい思いをたくさんしている。
私は何もしてもらってない。だから、私が2人より多くもらえるはずだ」と主張をしました。
長女Bは
「皆、平等に相続する権利があるはす。AもCも間違っている。」と主張をしました。
お互いの主張は平行線です。
遺産分割協議の話し合いの最中にも、お互いの仲はさらに険悪になっていきました。
長男A「お前は、お父さんの面倒を見てるときに通帳から自由にお金を下ろしていたんじゃないのか?」
次女C「お姉ちゃんは、すごく立派な結婚式を挙げさせてもらっていた…」
長女B「・・・。もう疲れたわッ。」
遺産分割協議書に判を押すまでに随分と時間がかかりました。
そして、兄妹3人はそこから絶縁状態です。
お父さんの生前は、特別いがみ合っていたわけではないのに、相続をきっかけにこんな状態に陥ってしまいました。
なぜこんなことが起こったの?
もしお父さんが遺言書を残していたら、
生前からきちんと3人の子どもたちと話をしていたら、結果は違っていたかもしれません。
事業を継いだ長男だって、継いだものの事業がうまくいかず大変な思いをしているかもしれない。
次女はずっと私は何もしてもらっていないという鬱屈があり、
それが相続の場で爆発してしまったのかもしれません。
上記の例では長女が折れたことで終わりましたが、
だからと言って万事がうまく収まったわけではありません。
相続トラブルを回避するために
①親に遺言を書いてもらうようにアプローチしておく。
②介護等で子供が親の財産を管理するようになった場合、管理方法やルールを明確にし、兄弟間で共有しておく
③親の介護の方針について、兄弟間で話し合っておく。
④相続税の試算をしておく。
スムーズな相続には、コミュニケーションが大切です!
日頃からお互いの気持ちを確認しておくこと!!
これが一番大事なのかもしれませんね。
コラム監修者紹介
ソルト総合会計事務所 所長
公認会計士・税理士 山本 将之
EY新日本有限責任監査法人、株式会社YKプランニングを経て、2015年に山口県防府市にてソルト総合会計事務所(山本将之公認会計士・税理士事務所)を開業。「スピードと情熱」「積極的な提案」を大切にし、中小企業の経営支援・課題解決に組織的に取り組んでいる。