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【第30回】数字のマジック【1分で読める小さな会社の販促極意】

数字を使えばインパクトはより伝わる!

こんにちは。
「問題解決型」会計事務所
ソルト総合会計事務所の伊藤博紀です。

先日、起床してから
ぼーっと朝の番組を観ていたら

その番組の恒例企画である
いま流行っている商品・店舗を紹介するコーナーで

とある
大手コンビニチェーンの
新商品の紹介がされていて

若い女性キャスターが
「3日で100万個も売れた激売れスイーツ」
と紹介していました。

私も
ぼーっと聞いてたので
「100万個ってすごいなー」と
反射的に思ってしまったのですが

いや、待てよ。
よーく考えてみたらどうだろう。

3日で100万個ということは
1日に換算すると33万個の販売、
その大手コンビの店舗数が
全国15,000店舗だそうなので

333,333(個)÷15,000(店舗)は
1店舗当たり1日およそ22個の販売。

さらに、
24時間営業の中で
早朝、日中、夜、深夜と
1日を大まかに4つの時間帯に分ければ

22(個)÷4(回)≒5(個)

4つの時間帯の
どこかで訪店するとしたら
時間帯売上5個は果たして多いのか?

ぶっちゃけ、
微妙なラインですよねー(笑)

ただ、こんな風に
漠然として把握しづらい数字でも
どんどん小さく「分解」していけば

私たちにとって
少しは判断の「手掛かり」となる形に
「変換」できるのではないでしょうか。

今回も
紹介された新商品の
「売れ行き」の程度の判断がつかないからこそ
簡単な計算でざっと変換してみる必要がありました。

別に、
コンビニ本部に「言いがかり」を
付けてるわけじゃないですよ(笑)。

ただ、
1つの事実として
テレビ番組での紹介以降、
このスイーツ目当てに来店客が殺到し
店の棚から姿を消すほどの売れ行きだったそうです。

当然、
ついでに他の商品も購入して
売上自体も大幅に伸びたんでしょうね。
プロモーションが上手くいった好例です。

ここで大切なことは、
意図的に、大きな数字を使うことで
「凄さ」を伝えられる可能性があること。

たとえば
・全国での販売数字
・長年にわたる累積販売数
・極端な割合
などなど

大きな数字を伝えることで
イメージを増幅させる効果がある。

しかし、
気を付けていないと
同時に騙されてしまう恐れもある。

数字に騙されない
知識を得る書籍として
ここ10年で1番優れている
ビジネス書ではないかと個人的に思っているのが

『FACTFULNESS』(日経BP)ハンス・ロスリング著

400ページを超える大著ですが
本離れが進む日本で100万部の
ベストセラーになっていることは
将来の日本に期待がもてる一因です。

とにかく
販売促進を考える側としては
商品・サービスの凄さをどのように伝えるか
これ1点にフォーカスしたい。

タイトルには
「数字マジック」とありますが
数字は、簡潔に事実を伝えるものでもあり
同時に分かった気にもさせる効果があり、
切り取り方次第では事実を歪めてしまうことも。

『ファクトフルネス』でも
繰り返し強調されているのですが
私たちは「大きな数字」を見た時に
最大限の注意を払わなければなりません。

その数字は
全体から見た時にどのくらいの割合なのか。
その割合がもつ意味合いは何か?

「コロナ禍」でも
新規陽性者数をカウントしただけの
数字の増減に一喜一憂するという
なんとも不思議な状況が続きました。

大切だったのは
そのエリアでの極端に高い感染率や
致死率がどの程度なのかのはずです。

解明が進んでいない
病原体ウイルスに対して
不必要に恐れて経済・社会活動を
停滞させるという事態を招いたのも

すべては
数字を読むスキルが
社会に不足していたからだと断言できます。

インフルエンザの致死率の方が高かったり
交通事故の年間死亡者数の方が何倍も多いのに
リスクを適正に受け止められないと悲劇です。

このように
数字は使い方次第、切り取り方次第で
クスリにも毒にもなるもの。
上手に扱っていきたいですね。

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