【第27回】ついで買いとアップセルの源泉【1分で読める小さな会社の販促極意】
人間心理の深い洞察こそが商売のキモ!
こんにちは。
「問題解決型」会計事務所
ソルト総合会計事務所の伊藤博紀です。
コンビニやスーパーの
レジ周りのお菓子やグッズ。
あなただって
買ってしまった経験が
一度や二度あるのではないでしょうか?
なぜ人は
買い物で代金を支払う際に
目的以外のものをつい買ってしまうのか。
それは
買い物という行為において
所持金という制約条件の中で
「何を買えば最大限満足できるだろうか」と
脳みそをフル回転させる決断をしたあとで
財布のひもと気持ちが緩んでいるから。
ですから
レジの列に並んでいる間
不意に目の前に現れた
せいぜい100円~500円程度の
お手頃で魅力的な商品の数々に
ついつい手を伸ばして買ってしまう。
また、
かつてコンビニ本部社員で
店長をしていた際の私の経験では
会計の際に
「こちら○○な理由で
人気商品となっておりますが
良かったらおひとついかがでしょうか?」
このように
会計時に「声かけ」をすることで
驚くべきことに4、5人に1人は買ってくれます。
いわゆるアップセル(客単価アップの取り組み)ですね。
いわばレジ前、会計時には
私たちは正常な判断が
出来なくなっているんですね。
たとえば
コンビニの平均客単価(2022年)は
711.5円(日本フランチャイズチェーン協会)で
もしレジ前「声かけ」で100~150円くらい
客単価をアップすることができるとしましょう。
仮に
5人に1人換算で客単価100円アップなら
コンビニは1日1,000人来店するとして
1,000人÷5人×100円×30日=600,000円で
月商が60万円もアップする計算になります。
けっこうなインパクトですよね。
何人分の給料がまかなえるでしょうか。
そう言えば
かつて日本でも流行った
米国の名作ドラマ『刑事コロンボ』では
刑事コロンボが
容疑者との話を終えて
いったん立ち去ったかと思いきや
すぐ思い出したように戻ってきて
事件の核心に迫る質問をするのがセオリーです。
容疑者からすれば
コロンボの追及をかわしたと
安心したところへの不意の質問。
正常な判断や対応が
出来なくなったとしても不思議ではありません。
自分に不利な発言もしてしまうというもの。
これも同様に
ガードがゆるんだスキを突いた
心理テクニックの1つ。
いやぁ、
人間の行動心理って怖いですね(笑)
今回紹介した
小売業における「ついで買い」は
ネットビジネスでも営業時の商談でも
有効なことは言うまでもありません。
よく言われる
「アップセルは購入直後が最大のチャンス」は
きちんと人間心理に基づいているんですね。
アップセルのポイントは
会計時や商談が終わった直後など
相手の気持ちが緩んでガードが下がっているとき。
これと
似たような状況はいくらでもあるでしょうし、
また、意図的に作ることもできるかもしれません。
このように
商売とは人と人との
コミュニケーションであったり
情報提供と意思決定の産物なのですから
人間心理を突いた
仕組み・仕掛けを用意することで
いくらでもチャンスを広げることが出来るでしょう。
ご自身のビジネスモデルでも
ぜひ取り入れてみてはどうでしょうか?