それって経費ですか?
そもそも経費って?
法人の事業のために必要な費用は、経費(損金)として処理します。
事業のため、とはお金を使って、直接、売上や利益を得る活動を言います。
そのため、取引先との食事は交際費と考えることが出来ますが、
家族や友人との食事の費用は基本的に経費となりません。
例えば、法人の社長が友人と行った食事代を会社の経費としていた場合、どの程度影響があるでしょうか?
税務調査で指摘された場合、
「経費にならない」で終わりかというとそうではなく・・・
「社長への賞与」とみなされる場合があります!!!
役員賞与とみなされる可能性のあるものの例
●相手先がはっきりしない贈答品や同席相手がはっきりしない食事代
●取引はあるが個人的な関係もあり、売上規模から考え過剰な食事の費用
●家族や親戚しか従業員としていない会社の社員旅行の費用
●社長の自宅に設置したテレビや家具、通信機器の費用
●事業に関係ない友人や家族との贈答品、食事代
●事業に関係ない友人への慶弔費用
●社長のスーツの費用 など
現在、中小企業(資本金1億円以下)の交際費は、年800万円まで経費と出来ますが、
会社の経費として認められるのは、あくまで事業に関係あるもので、
明らかに事業に関係のないもの、社長や役員の個人的な支出とみなされるものについては、
損金算入が認められません。
経費として処理していた経費が、社長への役員賞与と認定されると、
法人税が増えるだけではなく、消費税や社長個人の所得税も増えることになります。
つまり・・・
➀ 社長個人の所得税や住民税が増える
② 役員賞与は、会社の経費にならず、法人税負担が増える
③ 役員賞与の消費税分は、仕入税額控除ができなくなり、消費税の負担が増える
④ 上記の税金の全てに延滞税がかかります
それだけでなく、個人の所得が増えることで、お子さんがいらっしゃる場合
子ども手当の返還や就学援助が受けられない、などが出てくる可能性もあります。
この支出が、売上を伸ばしたり、業務を合理化することにつながるかどうか、
経費の無駄遣いになっていないかを常に見直していくことが経営上も重要です。
お金の使い道が、投資になっているか浪費になっているかで将来の業績も変わってきます。
そして、その支出を適正に会計処理していくことが結果として、1番の節税になります!
会計、税務上のお悩みがございましたら、ソルト総合会計事務所へご相談くださいませ。
コラム監修者紹介
ソルト総合会計事務所 所長
公認会計士・税理士 山本 将之
EY新日本有限責任監査法人、株式会社YKプランニングを経て、2015年に山口県防府市にてソルト総合会計事務所(山本将之公認会計士・税理士事務所)を開業。「スピードと情熱」「積極的な提案」を大切にし、中小企業の経営支援・課題解決に組織的に取り組んでいる。