お知らせ

事業承継・M&Aの本を10冊以上読んでみてわかったこと①

ソルト総合会計事務所で中小企業診断士をしています松田です。

弊所は山口県防府市の税理士事務所として、防府市を始め近隣の山口市や周南市、宇部市の税務を中心とした経営支援を行っています。

防府市は人口約11万人(2024年8月末時点)の地方の中の一市町村となっており、経営者の高齢化に伴う「後継者不在」「円滑な事業後継」を課題に抱える企業様が多くいらっしゃいます。

弊所としても、一税理士事務所の範囲にとどまらず地域社会の問題と捉えて弊所だからこそできる取り組みがないかと日々模索しています。

その一環として、2024年8月17日に『ソルト総合会計事務所×日本M&Aセンター 事業承継セミナー』と題して、日本M&Aセンター様とのタイアップで「事業承継」について公認会計士である弊所所長の山本と日本M&Aセンター中四国支店支店長の小川様によるトークショー型のセミナーを開催させていただきました。

さて前置きが長くなりましたが、今回の記事では、大切だけれども漠然として何かしていいか分からず後回しにされやすい「事業承継」にどう取り組んでいければいいかの基本の基を解説していきたいと思います。 それは「誰に」「何を」「どのように」の3つです。

①「誰に」

事業承継の相手は大きく3つに分類できます。

1 親族:お子さんや婿を始めとする身内

メリット…従業員や取引先などの関係者からも心理的に受け入れてもらいやすいのが特徴です。相続税面でも優遇される制度が活用できるなどの税制面でのメリットもあります。

デメリット…後継者候補が限られているということです。やはりわが子といえ経営者としての才があるかは別問題です。また地方ならではですが、いつかは引き継いでもらえると思っていたが都心に家庭など生活基盤ができてしまい、そろそろと思っていたら「地元戻るつもりはない」と言われ困ったという事例もあります。

2 社内:親族以外の従業員

メリット…普段一緒に仕事している仲間であれば、性格や適性、社内や取引先からの評価などを多角的に評価して選定することができます。実力が伴っていれば他の従業員からの納得感も出ます。

デメリット…一緒に仕事をしているとはいえ、経営者と従業員、すなわち雇う側と雇われる側では立場が全く違い、仕事内容やプレッシャーも異なります。また株式を譲渡する場合には譲渡になるため譲渡所得が発生しそのために借入が必要なってくることが一般的です。その場合、ご本人は意欲があってもそのご家族から反対されるという話も珍しくないです。

3 M&A:社外の第三者

メリット…しっかりとした相手を選定できれば事業承継後の会社、特に従業員さんの安心感は確保できます。また大手や上場企業の子会社になれれば、その影響力を使った更なる事業の拡大も大いにあり得ます。

デメリット…第三者が入るので今までの社風が変わってしまうことや現社長の人柄などで付き合いがあった先とは関係が薄くなることなどの社内外の心理的な問題が前者の2パターンに比べると起こりやすいです。

②「何を」

これは「経営権(いわゆる社長の座)」や「所有権(株式)」だけでなく、実務の引継ぎも含まれます。社長の頭の中にしかない会社についてのあれこれは多々あると思いますので、そのあたりをしっかり伝えなくてはいけないです。

そのために日々の業務を振り返る時間を作って、どんなことをしているのか書き出してみてください。(いわゆる「業務の棚卸」です。)

③「どのように」

株式譲渡には税が関わってくるのでしっかりと計画を立てて、株価対策なども含めて中長期で検討が必要になります。第三者に譲る場合も譲先の選び方など検討が必要です。また誰に承継する場合にも業務の引継ぎは必須になりますので、どのように伝えることが承継後の会社運営が円滑になるか考えてそれぞれについて手段を考えてみてください。

今回紹介したい内容は基本の基であり、これでようやくスタートラインに立っただけです。

これからもこの事業承継についての記事を更新していきますので、どうぞ今後も更新をチェックしてください。

最後にお知らせですが、ソルト総合会計事務所では今回のような事業承継のご相談、個人の相続や贈与のご相談も行っております。また必要に応じて司法書士など他士業の専門家のご紹介もさせていただいております。セカンドオピニオン的なご相談も大歓迎です。

ご相談お待ちしております!

コラム作成者紹介

ソルト総合会計事務所 スタッフ
中小企業診断士/税務会計支援 松田 尚

豊富な専門知識と経験で経営者を支えます
学生時代は個性的な友人に恵まれ楽しく過ごす。中学では卓球部で部長を務め、人の気持ちを理解し行動することの難しさを学んだ。大学では恩師の師事により、自分で考え行動し、自分らしい人生を歩むことの大切さを感じた。証券会社時代では礼儀を叩き込まれ、所作一つまでよく考えて行動することの大切さを学び、政治や経済のニュースでも表面上のことだけではなく、その要点などを理解し考えることができるようになった。

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